コハナバチの仲間は割と同じような、比較的開けた場所に営巣する。でもよく観察していると、種によって好みの場所が微妙に異なっていて面白い。
こちらはホクダイコハナバチLasioglossum duplex の巣口。この種は坑道を30センチ近くも掘り下げるため、巣口の周りにはうずたかく残土が積まれ、塚のようになっていて見つけやすい。育房が見つかるのも15~20cm前後の深さ。
こちらはシオカワコハナバチLasioglossum baleicum の巣口(写真がブレ気味なのはご勘弁)。坑道をあまり掘り下げず、夏の育房も10センチ足らずの深さで見つかる。そのせいか?残土が出ているのはあまり見かけない。
個人的な経験だけど、ホクダイコハナバチは、ほぼ一日中太陽が照りつけるような裸地に営巣することが多い。夏場の地表面は40~50度にも達するような場所だが、その高温を深く坑道を掘ることで回避し、育房の深さを適温(成長スケジュール上での適温)の層に調節しているんじゃないかと思う。
逆にシオカワコハナバチは、落葉樹の日陰になる部分、また傾斜地に営巣する。坑道が浅いのは、太陽光が届かないことで、適温域の層が浅くなるためだろう。傾斜地は・・・たとえば、広葉樹がプールする雨水を嫌っているとか?ちょっとこれは実証が面倒くさそう。
さて。このエントリを書いていて、ホクダイとシオカワのどちらがより北方に適応しているのかということと、二種の営巣地間での捕食圧の違いが気になってきた。ちょっと今度フィールド行ってきます。
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