2010年7月14日水曜日

いきなりナンですが(グロ画像注意)

取りあえず、今までちょこちょこと撮ってきた写真の中から一枚。


 ホクダイコハナバチLasioglossum duplex の夏巣から取り出した育房塊です。黄色く見えるのは幼虫の餌の花粉球。
 学部4年の卒業研究では、このハチの巣を何個も掘って、次世代の繁殖虫の性比を調べてました。まあその話は追々するとして・・・そんな中で見つけたのが次の写真。


 これは、ホクダイコハナバチの腹部から出てきたネジレバネの一種です。メスですね。本体は甲羅のように見える薄っぺらい部分で、ビーズのように見えるのはすべて卵(と卵巣)。ハチから得た栄養を全部卵に変えているわけです。これ見たときはびっくりしました。

 寄生率は意外と高く、この年採集した個体には、10頭に1頭くらいの割合で寄生していたと記憶しています。

 コハナバチはカスト分化が弱いハチで、外見からは女王とワーカーが判別しにくいため解剖して卵巣の状態からカストを推定しましたが、栄養を吸われているので、ハチの卵巣は完全に萎縮していました。

 ひょっとしたらこれがワーカーカストの起源だったりして・・・というのは、師匠の半分冗談半分本気の話。そうだとしたら、面白い。

20100719追記

 その後、このネジレバネは専門の研究者にもらわれていきました。その人の同定によると、多分

アゴナシネジレバネ Halictoxenos duplicis

であろう、とのこと。単為生殖を行う可能性があるそうな。

2 件のコメント:

  1. >ひょっとしたらこれがワーカーカストの起源だったりして・・・

    うん。ないとは言い難いし、もしそうなら色々とインパクトのでかい仕事になりそうですね(^ー^)
    ・・・実証は難しそうだけど(-∀-)

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  2. haruさん、はじめまして。
    まあ、コーヒー飲みながらの与太話ですからね。
    マジに実証するとしたら・・・単独性だが時々協同する種類の成虫に寄生させて、行動変化を見るとかでしょうか。

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